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ライドシェア導入の前にデジタル化すべきこと!

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ライドシェア導入の前にデジタル化すべきこと!

ライドシェア導入の前にデジタル化すべきこと!

2024/01/02

 前回の投稿から1か月経過し、その間規制改革推進会議WGが計3回、やや乱暴な形で進んだ事は既にご承知のことと思います。「国民の移動の足が確保出来ていない」状態の問題点は、構造化されることなく、従って解決策の糸口すらつかめず、答申前の第3回WGは、ライドシェアの安全性の有無、研修制度の短縮等、細部の主張、質疑応答で時間が過ぎてしまいました。

 地方の首長が、タクシー乗務員の減少、高齢化を問題視しているにもかかわらず、大都市の乗務員増加を根拠に、供給力確保を1年以内と説明するのは結構苦しい。地方消滅が指摘される我が国で、研修を簡素化しただけで、地方の乗務員が増員出来る程甘くはないでしょう。勿論、都市部では十分に増員出来るし、正々堂々勝負すべきですが、私が苦言したいのは、このように問題提起と解決策が本質的に噛み合っていない点です。

 今は、「現有の資源や仕組みで出来る対策」と「2種免許緑№以外に有償運行させる場合に、どのような条件なら可能か」と「ライドシェアの問題点」という3点を考え、情報発信し、国民の理解を得るしかないないのかな?と個人的には感じています。以上3点について、若手らしくデジタル化を視野に入れた解決策を提示したいと思います。

 まず、「現有の資源や仕組みで出来る対策」について、です。それは、タクシー乗り場のDXです。タクシー乗り場は、一部の例外を除き、ただポールが立っているだけで、待ち心地が悪いだけではなく、回転数も不明な上に、タクシー不在時に呼出す仕組みもありません。特に、日本の鉄道駅の乗降数は世界有数であり、二次交通との接続は重要な機能を持ちます。現在はアプリの普及で、タクシーが駅に戻る前に受注してしまう為に、ご高齢の方が、駅の乗り場で延々と何時来るかも分からないタクシーを待つ、ということが大変なストレスになっているのは、確かに問題です。

 空間的な余裕があれば、訪日外国人向けのアプリ乗り場を設置したり、カメラでお客様やタクシーの滞留をタクシー運転手が確認できるだけでも、供給体制は改善出来ます。しかし、ここでの問題点になるのが、タクシー会社が鉄道やバス等の交通との連携が弱い点です。終電や終バスと連動せずに、運賃値上げで稼げたから他の交通と関係なく帰庫する、というのは、公共交通の担い手として顧客目線からの乖離も甚だしく、厳に戒めなければなりません。

 MAAS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の流行が最近どうなっているのかよく知りませんが、交通モードの壁を越えて施策を考えることは、やはり重要です。今回のタクシー乗り場不在問題をきっかけに、乗り場の入構規制の在り方や、ただポールを立てておくだけで良いのか?という事について切り込んでいくべきです。

 次に「2種免許、緑№以外に有償運行させる場合に、どのような条件なら可能か」についてです。先日、茨城県境町に自動運転バスに乗りに行く為に、夜間に現地に到着したのですが、バス停にタクシーを配車してもらえず、やっぱりこういう田舎ではライドシェア欲しい!(笑)という気持ちも分かりました。夜道を延々と歩きました(泣)

 ただ、問題は、タクシーでは対応出来ない需要というのを、誰がどういう基準で決めるのか、という点です。福岡市長は、都市部の時間帯別交通空白という新しい概念を提示しましたが、そんな瞬間最大風速的な需要は、ライドシェアでも供給出来ないことは明らかです。大雪や災害の時にライドシェアドライバーをいかに稼働させるか、という点まで踏み込む必要があります。私としては、乗務員証のデジタル化で供給量の総量規制を実施することを提案したい。

 ライドシェアに関するマスメディア報道は、そもそも供給量の論議が、「乗務員の人数」になっている点が噴飯ものです。正しい供給量は、「人員数×稼働時間」≒「位置情報に基づいた走行キロ」です。しかし、これにはデジタル化が不可欠です。2種免許、緑№以外に有償運行させる場合は、乗務員証のデジタル化で個別輸送の供給量を管理することを条件とし、供給過剰を回避し、ワーキングプアを生まないような仕組みにすれば、十分にアリなのではないでしょうか?

 最後に「ライドシェアの問題点」について、でした。これについては、全国子育てタクシー協会の会長として、現在のタクシーが担っている「地域のセーフティネット的な役割」を語っていきたいと思います。が、紙面が尽きましたので、また次回に!

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